「日韓トンネル」Q&A

Q.工期や費用はどれ位かかりますか?

A.工期は、資金が十分あれば正味5年、前後合わせて10年、工費は10兆円を見込まれています。
日本と韓国のGDP規模からすれば決して驚くような数字ではありませんし、プロジェクトファイナンスで実施することも可能です。

Q.技術的に可能でしょうか?

A.技術的には問題ありません。

海底トンネルとして、現在も世界一の長さを持つ青函トンネルを1988年に完成させた日本の技術は健在です。

また英仏海底トンネルにおいては、最新のトンネルボーリングマシーン(TBM)が11機(イギリス製6機、日本製4機、アメリカ製1機)

使われましたが、フランス側からの掘削に参加した川崎重工業が、かなりの難工事をこなしたことは、NHKの「プロジェクトX」でも紹介さ

れました。

Q.地震が起きても大丈夫ですか?

A.最新のシールド工法によって建設されるシールドトンネルは、力学的に最も高度の高い円形で、セグメントを組み立てた変形に追随できる

構造で、現在まで、地震による深刻な被害が生じた例はありません。

青函トンネルでも、北海道東方沖地震(1994.10・M8.2・震度6)、十勝沖地震(2003.9・M8.0・震度6)等の地震を経験していますが、

トンネル壁面構造部等に影響は発生していません。

 

 

Q.日韓トンネルを建設すると国防上の問題が生じませんか?

A.有事の際にはトンネルの出入口を封鎖すれば問題はありません。

 

Q.航空輸送が発達したこの時代に海底トンネルを建設する必要があるのですか?

A.トンネルによる鉄道輸送と航空輸送を比較した場合、まずエネルギー効率が大きく違います。航空は鉄道と比べて、貨物は50倍、旅客では4倍のエネルギーを消費します。鉄道は、海運(貨物船)と比べても、同程度以下のエネルギー消費で済み、しかもはるかに高速です。

輸送コスト以外にも、簡便性や、他の交通機関との接続性の良さなど、多くの利点が考えられます。またトンネルは電力等のエネルギーの配送手段としても利用が期待されます。

そして旅客数においても英仏海峡トンネルでは開通以降、1995年の730万人から2016年には2,061万人に急増しており、日韓海底トンネル開通後、多くの旅客数の増加が見込まれます。

 

 

Q.日韓トンネルのルートと距離はどれ位ですか?

A.最も実現可能性が高いルートは、唐津→壱岐→対馬→巨済島→釜山。

唐津から、総延長距離270km、海底距離150km。

長短3つのトンネルの組み合わせなので、一つ一つ分けて考えれば、さほど困難な工事ではありません。最大の技術的課題は最長距離区間の対馬→巨済島の90km、海底距離60kmです。

 

Q.日韓トンネル内の交通手段と、その他の利用目的は?

A.新幹線とKTXの相互乗り入れで、それぞれ、ソウルあるいは大阪、東京が終点。

新幹線E系はやふざは、すでに海底トンネル走行仕様になっています。韓国KTXはまだですが、同仕様のユーロスターはすでに英仏トンネルを走り、実時間は飛行機より早くなっています。

貨物はコンテナに特化。

車も排ガス処理問題、長距離運転の危険性を考慮し、列車に載せて運ぶ「フェリートレイン方式」が有力視されています。この他に電力線や光ファイバーなど各種ケーブルを併設すれば、高度な交通運送とエネルギーや情報通信の需要に対応することが期待されます。

 

Q.韓国には日本に併合された歴史があるので日韓トンネルには否定的だという考えもありますが?

A.英仏海峡トンネルの成功が良い先例になると考えます。

両国は百年戦争始め幾多の戦争の歴史もありましたが、英のサッチャー首相と仏のミッテラン大統領がカンタベリーで合意し、手を握り、「では一緒にやりましょう。もう二度と戦争はしません」と言う誓いを交わしました。それから一気に英仏トンネルが実現したのです。

その意味で日韓トンネルは平和を誓い合う「平和のトンネル」です。

また現釜山市長は日韓トンネルを公約に掲げ当選しており、様々な研究もなされ、韓国でも機運が盛り上がってきております。昨年も唐津の斜坑現場には、韓国の各界指導者が36回に渡り1300余名が視察に来ております。